AIがチームの開発速度を上げるのは事実です。
MVPはより早く出せる。
機能もより早くリリースできる。
小さなチームでも、以前よりずっと多くを作れるようになる。
ただ、ここには大きな落とし穴があります。
AIはコード生成だけを加速するのではなく、複雑さそのものも加速する。
最初はすべてがうまく見えます。
コードが速く出る
フローが動く
機能が次々に増える
開発速度が明らかに上がる
しかし、プロダクトが大きくなり始めると、本当の問題が見えてきます。
コードベースの文脈が大きくなりすぎる
AIが作ったロジックに一貫性がなくなる
モジュール境界が曖昧になる
新機能追加がだんだん難しくなる
リファクタリングが怖くなる
新しく入った人がシステムを理解しづらくなる
問題は、AIが間違ったコードを書きすぎることではありません。
本当の問題はこれです。
AIがあまりにも速くシステムを作っていくせいで、人間の側が全体を理解するためのメンタルモデルを維持できなくなる。
危険なのはそこです。
その段階でも、チームはまだリリースを続けられます。
ただし、多くの場合かなり脆い形で続けることになります。
その結果どうなるか。
やがてボトルネックは、
「コードを十分速く作れるか」
ではなくなります。
本当のボトルネックはこうなります。
だから私はこう思います。
AIで速くコードを書くのは、簡単なほうだ。
システムが大きくなった後も生かし続けることのほうが、はるかに難しい。
AIは実装を加速すべきです。
でも、アーキテクチャ、境界設計、オーナーシップ、構造的な判断は、やはり人間が持つべきです。
そうでなければ、速度の代償はすぐにやってきます。
プロダクトは動いている。
でも、それを次の段階へ引き上げる自信を持てる人が、もういない。